ブログ アメリカからご相談
動物と人に優しく

アメリカからご相談

2019年3月1日

5年前まで札幌で暮らしていた柴犬のななちゃん。images
当院を掛かりつけにしていただいていました。
今はアメリカで暮らしています。
最近おなかの具合が悪くアメリカで動物病院を受診されたそうです。
そこで血液検査をしたところ異常値が見つかり、内分泌の病気(ホルモンの失調)ではないか?とのことで詳しい検査を勧められました。
以前当院を受診していたことを思い出していただき、ご相談の電話やメールをいただきました。
検査のデータを見せていただいてみると血液中のカリウムと言う値が基準値よりかなり高値を示しています。
担当の獣医師は副腎皮質機能低下症(アジソン病)の可能性を考えておられるのだろうと思いました。
ただその病気だと同時にナトリウムが低くなることが多いが、そちらの値は異常ありません。
鑑別のための検査は受けられた方が良いことをお伝えした上で、日本犬には病気ではなく検査上カリウム値が高くなる個体(偽高カリウム血症)があることをお伝えしました。
日本犬は世界的にはまだまだマイナー犬種で固有の情報がほとんど知られていません。
今回ご相談が無ければなかなか診断に至らず回り道をしたかもしれません。
これからは国際的にも今まで以上に連絡を密にしたり、学会や学術誌などを通じ情報共有する必要性を感じました。
外国で暮らす日本固有種の情報は我々日本の獣医師が積極的に発信して行くことで救える命があり、また無用な検査を繰り返されることをなくすことにもつながっていくのだと感じたエピソードでした。

 

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